ジム・ダイン 主題と変奏:版画政策の半世紀@名古屋ボストン美術館

色鮮やかなハートの版画が有名なアメリカの芸術家ジム・ダインさんの展覧会です。
愛知県美術館の所蔵作品「芝刈機」が展示されている以外は全て版画作品でした。凄く昔に名古屋市美術館(たしか)で見たジム・ダインの彫刻作品が、今回展示されていないかなーと思ったのですが無くて残念。子供部屋とかそんなタイトルで黒いタンス?に星やらピストルやらのモチーフが付いていたように記憶しているのですが・・・。ご存知の方いらしたら教えてください。

さて、章立ては「初期の作品」「道具」「ローブ」「自画像」「人物画」「ハート」「草花、樹木」「ヴィーナス」「近年の作品」でした。
興味深かったのは「初期の作品」「道具」「ハート」の章。
「初期の作品」では、写真を使ったコラージュや文字を使った作品が多く見られました。白と黒をベースにした色の使い方がかっこいいったらないです。スタイリッシュで洗練されていて、見惚れてしまいます。
「道具」は文字通りトンカチやペンチをモデルにした版画。無機物の冷たさと削り落とされた機能美が細い線で描かれています。同時に、加えられた色や不穏な黒い影によってまるで有機物のようにも見えます。ひげがのびちゃう刷毛とか、お茶目ですね。
「ハート」はやっぱり凄い!としか言いようが無い・・・。描きようによっては抉り出された心臓そのものにも、愛の象徴にも、何か不気味な生き物にも見えるハート。お気に入りは「チャペル・ストリートの冬の窓」のハートです。結露した冬の窓に指で描いたような可愛らしいハートです。ハートの白が浮き出るようでとてもきれい。図録ではちょっと灰色がかってしまっているのが残念です。
「近年の作品」はアメリカー!という感じですね。アメリカにおけるディ○ニーの影響力は凄いのですね。ピノキオの作品が衝撃的でした。

土日に行ったのですがいい感じにすいていて(笑)じっくりとみることができました。図録の表紙が3種類あるのもにくいですね。私はハートの表紙を買いましたよー。